概要
FreeBSDは、DRM保護されたコンテンツの視聴に必要なWidevineプラグインのサポート対象外で、Linux/Windowsのエミュレーションでもうまく動かない。DRM保護されたコンテンツを視聴するには、bhyveでVMを立てるか、デュアルブート構成にするか、別のホストにリモートアクセスするあたりが現実解になる。
目次
- FreeBSDとDRM保護
- 現在の代替策
FreeBSDとDRM保護
FreeBSDをデスクトップ用途で使い始めて1-2週間ほどが経過する。いまのところ、ほとんどの課題はWebで検索すれば解決できている。ただ、Amazon Prime Video、Netflix、SpotifyのようなDRM保護されたコンテンツはFreeBSDで視聴することができない(YouTubeは有料コンテンツを除いて視聴できます)。この問題は2016-2017年頃から存在しているらしく、現在も解決していない。
DRM(Digital Rights Management)は、デジタルコンテンツが不正にコピーされたり視聴されたりすることを防止するための技術で、Webで視聴できる商用コンテンツにはほぼもれなく利用されている。ちなみに、ブラウザによってサポートしているDRMシステムが異なる(brightcoveのこのページが詳しい)。FreeBSDで利用できるChromeやFirefoxでは、Widevineというプロプライエタリなプラグインが使われる。
Widevineは、サポート対象OSがWindows、macOS、Linuxの3種類のみで、FreeBSDが含まれない。そして、どうやら開発元のGoogleもFreeBSDをサポートする気がなさそう、ということで、事実上利用できない。WidevineのOSS版を開発するのも、DRMという性質上難しいらしい。また、Linuxバイナリ互換機能(Linuxulatorと呼ばれる)を駆使してLinux版のGoogle Chromeを動かすにも、WidevineはFreeBSDがサポートしていない低レベルのシステムコールを使っており動かない(参考)。また、Windowsバイナリを動かすときによく利用されるWineを使っても、本命のChromeがうまく動かないらしい(参考)。
現在の代替策
2020年6月現在時点において、DRM保護されたコンテンツを視聴するためにはbhyveでWindowsまたはLinuxの仮想マシンを作って利用するか、デュアルブート構成にするか、DRMコンテツを視聴可能な別のWindowsホスト等にリモート悪アセスするくらいしか方法がない。同一LANにWindowsホストがいて、多少古くてもGPUが乗っていれば、freerdpを使ってリモートデスクトップ経由で動画を視聴することはできた。ただ、超快適とまでは言えないことと、GPU非搭載のAtom機みたいな非力なマシンだと、フレームレートが上がらずカクカクになりストレスが溜まる。
Google検索と戯れている間、FreeBSDのインフラから配信されるNetflix動画がFreeBSDクライアントで視聴できないのは、なんとも皮肉なものだね、という書き込みもいくつか見られた。まあ、FreeBSDをデスクトップ用途で使ってる奇矯なユーザは皆無なので、別にサポートしなくても経済的な損失は無視できるから仕方ないよね。
ただでさえ重量級アプリであるWebブラウザを、VMを作ってそこで動かすようなことは気乗りしないが、良い方法知ってる方がいたら教えてください。